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- 作者: 柴田よしき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/10/16
- メディア: 文庫
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新宿2丁目で保育園を営む花咲慎一郎。運営資金不足のため、金になるやばい仕事を請け負う探偵業にも手をそめている。保育園の経営、探偵業から巻き込まれる事件に奔走する。
登場人物がなかなか魅力的で、するっと読める。新宿2丁目の無認可保育園ということもあって、預かっている子どもたちは、国籍などいろいろな問題を抱えている。重い話も読みやすくかかれていて、それなりにおもしろかった。この作家の他の作品も読んでみたいと思った。
大人が主役で、社会を動かしているんだけれど、その大人には子どもが深く関わっていて、結局は子どもが主役のような・・・そんな感じ。
「園長先生!すみません、起きてください!園長先生!」
いつものようにバカの付く力で叩かれて、部屋のドアが悲しい悲鳴をあげた。
俺は、せっかくこれから食おうとしていた函館名産のウニ丼を諦めて、夢から醒めた。どうしていつもいつも、何か食う夢を見ていると邪魔がはいるんだ?起きあがると、胸の上に置いたままだった新聞の折り込み広告が、すべって床に散らばった。北海道一周格安、四泊五日の旅。広く高い空、白い雲。緑の草原にゆったりと草をはむ精悍な競走馬。吹き渡る風は乾いて涼しい。ああ、そうだ。きっと、涼しい。