となり町戦争

となり町戦争

小説すばる新人賞受賞作。直木賞候補作品。
広報誌によって僕は、自分の住む舞坂町と、となり町との戦争の開始を、そして戦死者が出ていることを知る。だが町は普段と変わらない。僕は戦争が起こっているという実感をもつことができないまま戦死者は増加していく。となり町偵察の任務を請け負い、さらには役場のとなり町戦争係に勤める香西と出会う僕だが、戦時中だという実感を持つことはできない。そして突然、香西から戦争終結を知らされる。


すごく期待して読み始めたが・・・。戦闘機が飛んでいるわけではなく、銃声がするわけでもない見えない戦争。自分が戦争をしている町に住んでいるという実感が持てない。日常のなかでおきている戦争。設定はすごく面白いと思う。どう終わらせるんだろかとどんどん読み進めた。ん〜期待はずれ。見えない戦争はいいんだけれど、なぜ戦争しているのかぐらいは明確にすべきだったと思う(活性化って・・)。あと、なぜ最後にやすっぽい恋愛話をいれたんだろう。なんかわけわからなくなっちゃってしょーがねーやって感じで終わらせたように感じた。全体をみるとあの恋愛話部分、うきまくり。
お役所の淡々とした仕事を揶揄し、読者に戦争のことを考えさせたいんだろう。ただそれにしたって、この設定ならもっとおもしろくできたんじゃないかなー。

となり町との戦争が始まる。
僕がそれを知ったのは、毎月1日と15日に発行され、1日遅れでアパートの郵便受けに入れられている[広報まいさか]でだった。町民税の納期や下水道フェアのお知らせに挟まれるように、それは小さく載っていた。

穴を掘りながら思う。この日々、この半年の日々を。僕は戦争に加わった。戦争の影を決して見ることはなかったが、僕はなんらかの見えない刃を持たされていたのだろうか。その刃で、幾人かの敵を、知らないうちに切り捨てていたのであろうか。
確かに僕は、誰かを意思を持って殺しはしなかった。しかし僕を助けるために、確実にこの戦争で、佐々木さんという1つの命をがなくなっている。僕はもしかしたら、そのことを一生しらないままに、無自覚に、イノセンスに、生涯を終えたかもしれないのだ。
考えてみれば、日常というものは、そんなものではなかろうか。僕たちは、自覚のないままに、まわりまわって誰かの血の上に安住し、誰かの死の上に地歩を築いているのだ。(P193)

明日の王様 1 (集英社文庫(コミック版))

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明日の王様 (2) (集英社文庫―コミック版)

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MOONLIGHT MILE 1 (ビッグコミックス)

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MOONLIGHT MILE 2 (ビッグコミックス)

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MOONLIGHT MILE 3 (ビッグコミックス)

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MOONLIGHT MILE 4 (ビッグコミックス)

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MOONLIGHT MILE 5 (ビッグコミックス)

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